EVOC忘年会

宿泊戦線 シーズン3 vol.2


房総 四季の蔵


「ここは?」


そう、以前暑いときに来たことがあるが、ここには美味いソフトクリームがあるのだ。

「どうしてもソフト部をやる気か?」

そう言いながらも、あの果汁の濃いソフトは、確かに美味かったのを覚えている。

あの時は、一口貰っただけだが、あれならば食っても良いかな?

「おい、どうしたんだ、それ?」

みるみる
さんのシーシーバーを支えていたステーが折れてしまっていた。



「三人乗せる気か?」

さっきのえざわに着いた時も、だんだんシーシーバーが倒れて来ていたようだが、今回は完全にステーが逝ったようだ。

これではシーシーバーに取り付けているナンバーも見えない。

すると、
ワンセブさんがどこかに電話をかけ始めた。

「五時半までに持って行けば、ちょっと見てくれるそうです」

知り合いの人に、事情を話して約束を取り付けたようだ。

あのガトリングマフラーを制作した知り合いとなれば、これは十分に期待できるだろう。

そういうわけで、取りあえずソフトクリームを食べる運びになった。

ただ、以前のソフトクリームは、季節限定なのか販売していなかった。

四季の蔵なのに、季節限定なのか?

四季の美味しい物がいつでもってわけではないらしい。

それでもピーナッツソフトを二人は買っていた。

そして
Takaさんも、WONKさんもだ。

Takaさんは、ソフト部ではないようだが、俺が知る限り、必ず一緒になって買っているイメージがある。

ジャパンミート

いつもは食事付なので、あまり買わないが、今回はかなりの量を購入した。

何故だろう? こういう時は自分のポテンシャルがあがったような錯覚を覚えるのは?

人数もいるし、意外と食えるだろう。そう思って、毎回残して行くことはわかっているのに。

荷物を皆で分散して積み込み、
ワンセブさんの知り合いの匠の待つ工場へ。

匠の家



工場へバイクを運び入れると、匠が出てきて、すぐに長さや径を測りだし作業に入った。

たかがステーと侮るなかれ。まさにそう言った感じだ。

飛び込みの無茶なお願いなのに、ちゃんと表面まで磨いて、しっかりとやってくれる。



「お前は匠じゃねぇだろ?」

ワンセブ
さんが磨いていたが、匠が任せている辺り、これも信頼関係からなっているのだろう。



そして強度の上がったステーを取り付け、まったくぐらつかなくなった。これでナンバーも見える。

みるみるさんも、千葉まで来た甲斐があると言うものだろう。



匠は匠で、また別の匠の作品にご執心だった。
akiさんのトライクも、匠の域だ。

ずっと前を走っていたので気づかなかったが、暗くなってからも
akiさんのトライクは映える。

某富津岬邸 再び

富津岬邸まで戻ってくると、バーベキューの準備が始まった。

ほとんど経験のない俺は、まぁ役立たずで、静かに待つしかできない。



akiさんは、火を起こし、且つ、段ボールでの燻製作りの準備を始めた。

女性陣も、食材、料理の準備を始めた。こうなると、ただ邪魔にならないようにするだけだ。

そろそろ準備が整いつつある。そんなときに、
カジュさんが到着。

病み上がりなのに、埼玉から駆けつけてくれた。

そうしてバーベキューは始まったのだが、その写真を撮っていなかった。

それでも、お酒を飲み、肉や料理をつまみながら、まったりと談笑するのは悪くなかった。

やはり、帰らなくて良いと言うのは、気持的に楽だ。



ひと段落ついた頃、
みきさんが、みるみるさんに対して、自分の娘をプッシュしていた。

ただ、隙を狙って、
カジュさんが自分を売り込もうとする。

このおっさん、やるな・・・

ワンセブ
さんはポリさんに自分を売り込んでいる。

この二人はいつものことだな

「若い子と話してみたいとは思ってんですよ」


みるみる
さん22歳。若い子だと?

「おいおい、その台詞はこちとらおっさんのもんだろ?」

俺なんて怖がられて、話かけられないっていうのに、なんという贅沢な悩みだ。

笑うと目元が優しくなると言ってくれた
WONKさんを、世の女性には見習ってほしいものだ。



akiさんは、いつもと勝手の違う段ボールでの燻製作りに、納得がいってなかった様子。

akiさんやTakaさんの諸先輩方の話しを聞くと、本当に色々な所に出かけている。

カジュさんにしても、病み上がりだと言うのに駆けつけてくれたし、この行動力は俺にはないものだ。

酒を片手にakiさんが、若い頃の話をしてくれた。

「スーパーホワイトに赤を入れると映えるんですよ。って言うから、よろしくって頼んだら、ピンクのマークUになりやがった」

そうだった。マークUとか、あの頃は流行っていた。しかし、ピンクのマークUは見たことがない。



そんな中、こっちは、恋のABCについて議論していた。

聞いていて驚いたが、今時の若い子は、そういうものがあるのは知っているが、詳しくは知らないらしい。

ポリさんまで知らないと言いだしたので、「えっ?」って思ってしまった。

アルファベットの「
」の前には、「H」がある。愛よりも相性を大事にするお国もあるらしい。

「俺はHからしか習ってないし、外人になりたいね」

カジュ
さんが笑いながら言った。

このおっさん、病み上がりってのはブラフだな・・・

この溶け込み方。まるで最初からいたように違和感がない。これも人柄か?

それから熱く語り始めたのは、血液型の話しだ。

主に聞こえてくるのは、A型、O型、AB型だった。

藪をつついても仕方がないので、大人しくしていると、同じく大人しくしている人が?

akiさんだった。実は、akiさんもB型だったことが判明。

こっちはこっちで控えめなB型。怒るポイントが人と違ったり、プツンッと行くと、などと共通点が発覚。

気にしているつもりはないが、やっぱり血液型によって、性格は類似するようだ。

気が付いたら、午前0時近くになっていた。

寝ようかと歯磨きまでしたが、
みるみるさんがお土産に持って来てくれた焼きまんじゅうを食べていないことを思い出した。

まだ炭に火が残っていたので、焼きまんじゅうを作ってみた。

まんじゅう自体は軽くて幾らでも入りそうだ。味噌が、この時間帯には重く感じる。でも美味かった。

だが、一気に焼き過ぎてしまった。

何故いけると思ったのか? 

どうしてもポテンシャルを高く見積もってしまう。

ワンセブさんは、既にグロッキーで先に布団に入ったようだ。Takaさんもいつの間にか就寝。

Takaさんは身の危険を感じたのか、ワンセブさんの隣は避けている。

「俺がベッドに寝るべきか?」

後から来る
ポリさんのことを考えれば、ワンセブさんの隣を空けておくのが優しさかもしれない。

「いや、もし本当にそうなったら?」

気色の悪い映像が浮かんで来たので、ここは俺が身体を張ることにした。

「まぁ考えても仕方がない。なるようになるだろう。最悪、締め出してしまえばいい」

危惧されていた寒さだったが、全然問題なく、用意してもらった布団で十分だった。

明日の天気は怪しいらしい。できれば雨は降らないでいてほしいと思いながら、いつのまに眠りに落ちていた。



朝起きたら、
カジュさんは帰宅していて、ワンセブさんの姿もなく、WONKさんが後片付けをしていた。

コーヒーを淹れてもらい、朝の一服。忙しなく動いている
WONKさんを見ながら、何もできない俺がいた。

天気予報は外れない。強くはないが、雨が降っている。

今日は帰るだけなので、多少濡れても構わないが、雨は嫌な記憶を思い出す。

これで転んだら、目も当てられない。

ワンセブさんが帰って来たが車だった。荷物を運ぶために、乗り換えて来たようだ。服装も身軽になっている。

Takaさん、ポリさんが起床してきて、雨を見てちょっとうんざりしたような表情を浮かべる。

「カジュさん、もう家に着いたそうですよ」

この雨の中、一時間半で埼玉に到着したようだ。

「雨の時は乗らない」

そう言っていた男の走りとは思えない。やはりあの人は、病み上がりでもなければ、ただものでもない。



アニメを見ながら、朝から焼きそばを頬張る。そこで
みるみるさんも起床。

まったりとした時間が流れる。

WONKさんからお孫さんの話を聞いたが、トライクに乗っている爺ちゃん婆ちゃんがいたら、孫は自慢だろう。

こんな風に格好よく年を取りたいものだが・・・

まずは孫の前に子供。子供の前に奥さんを見つけなければ・・・道のりは遠い。

それにしても雨は止みそうにない。でも帰らなければならない。

最初に動いたのは
Takaさんだった。

「11:30のフェリーに乗るんでお先です」



Takaさんを見送ると、なんとなくと言った感じで、我々も帰宅の準備を始めた。

荷物を運び、もこもこに着替えて、いざ帰宅の途につくことに。

これから、皆高速に乗って、長い道のりを帰ることになる。

俺は俺で、下道をひた走ることになる。

それぞれが、雨のソロツーリングに出発だった。

「あれ、akiさん達がいない?」

ふと気が付くと、後ろには
みるみるさんしかいなかった。

「そうか、家の鍵を返しに行ったのか?」

てっきり高速の入り口で別れると思っていたから、そこで挨拶しようと思ったのだが・・・残念だ。

ポリさんとみるみるさんは、高速の入口へ向かい、そこでお別れ。

俺は
ワンセブさんに案内されて、途中で別れた。

孤独に雨の中を走りながら、ガソリンが少々気になり始めた。

以前、帰り際にガソリンが空になって、焦ったことがある。

それと、この雨だ。色々と気になることが多い。まぁ、問題なくスタンドに立ち寄ることができた。

「こちらのカードはお持ちですか?」

ガソリンを入れている最中に、スタンドの店員が話かけてきた。

「チッ」

バイクのガソリンを入れているときに、視線を切らせるようなことを言うな。

ただでさえ、面倒な格好でガソリンを入れているのに。

「それ(カード)で入れてる」

ちょっと苛つきながら答え、早々に出立。

そして10分後、無事に家に帰り着くことができた。

「12時過ぎ、か」

下道を走ってきた割には順調だったと言えるだろう。

ふっ、ちょいと飛ばし過ぎたかな?

重装備を脱ぎ捨て、雨で濡れたバイクを拭き、速攻でシャワーを浴びた。

煙草を咥え、缶コーヒーを片手に、今年も無事に終えることができたことを、俺は一人噛み締めた。

「明日から仕事かぁ」

と、言いながらも俺は休みを取っている。やはりツーリングの翌日は鎖国。これで決まりだ。


最後に・・・

akiさん、WONKさん、宿泊場所のご提供、本当に感謝です。

準備に片づけまで、本当に任せっきりになってしまい、申し訳なかったです。

ワンセブさんみきさんも、お疲れ様でした。

ポリさん、Takaさん、カジュさん、みるみるさんも、遠くから参加してくれてありがとうでした。

また、機会があれば宜しくです。

本日の走行距離 200km。

本日の参加者:
ワンツーセブンさん、akiさん、WONKさん、ポリおうさん、Takaさん、みるみるさん、カジュさん、みきさん、マシュキ


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